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🔶🔷「令和のアニメに昔のアニメのような見せ方とか絵コンテでシンプルにやれば、低予算低カロリーで視聴者がそれなりに満足出来るものになるのでは…」という意見について、個人的な見解を

※元々Xでツイートした事をまとめました

 

 

 

 

今のアニメは絵コンテが平凡で、劇場版並の作画をTVアニメで頻繁に求められるから、昔のアニメのような見せ方とか絵コンテでシンプルにやれば、低予算低カロリーで視聴者がそれなりに満足出来るものになるのでは…?

と最近ツイートで見かけるようになってきたので、個人的な見解を残しときます…!

 

 

まず2017年ダイナミックコード・1話ニコニコ動画配信時を例に出しますが、この時最初に話題になったのが作画崩壊

車が変だったり、道路が日本の基準じゃなかったり…

ただし影山監督独自の絵コンテは健在で、開幕から桜、物憂げな顔、小気味好いやり取り等、監督オブ監督な映像になっていました

 

 

過去に遡ると影山楙倫監督は、2004年下級生2でTVアニメ初監督を担当なさったのですが
現場はとにかくバタバタしてたと、DVD映像特典で声優さんが話してました。

元々監督としてはOVA畑の方でしたので、TVアニメでの作画がどうなるかが注目ポイントでもあったのですが……
結論を言うとヤバかったです

 

 

キャラ作画も崩壊するし、止め絵の顔アップでも変な絵の所もあったり…DVD版(配信版)で修正は入っていたのですが、9話の夏祭り回が一番酷くて分かりやすいです

ですので、影山監督アニメはOVAでの作画崩壊は"一切"といっていいほどないのですが
TVアニメになると途端に酷くなる傾向がありました

 

 

これはその後に作られたひまわりっ!クイーンズブレイドリベリオン、ダイナミックコードもそれで

あくまで視聴者としての目線ですが、影山監督は演出や絵コンテを重視していて
どんなに作画崩壊していても、見ている人にこれが伝わればいいと
TVアニメにおいては考えている可能性がある説があります

 

 

ただし先程も話しましたが、OVA時代は"ホントに作画が一切崩れない"ので
あくまでTVアニメ現場において、大事な事は何か、他の制作会社との兼ね合いを重視した結果

作画に関しては後回しにしたんじゃないかと私は思いました。

でも2004年下級生2から続いたそのツケが、2017年に出てしまう事に…

 

 

なので話を最初に戻りますと、言い方もあれですが絵コンテやら演出を第一にして、作画崩壊しても伝わればいいや、分かって貰えればいいや

その考えは一定の作画レベルなら、視聴者はギリギリ耐えられますが
2017年ダイナミックコードぐらいになると、あれぐらい騒がれるんだよと、認識するべきだと

 

 

その結果ダイナミックコード原作ファンは一部の方は相当歯がゆい思いを味わいましたし、影山監督アニメファン的にはアニメ自体は楽しいけど…ここまで騒がれるとは…的な事件にはなったので

作画崩壊の何がいけないの?という点においては、アニメ業界内でのいい教材?にはなったのかもしれないです

 

 

なので絵コンテ、演出の力だけを信じすぎて、作画崩壊を軽んじていると、多くの方を巻き込む事態にもなってしまうと……そういう側面もあるとアニメファンに感じて欲しい所が個人的にはあります

ダイナミックコードに関しては影山監督自身のツケもあったと思います。
2004年下級生2ファンや

 

 

2001年ONE~輝く季節へ~での大体な和風ストーリーへの再構築、2000年Piaキャロ2DXでのメインヒロイン榎本つかさちゃんの僕っ子口調の変更等々…

これに関してはアニメで表現するために変更したとムック本等で書かれていますが
もしかしたら作画に関してもそういう考えがあったからかもしれないです

 

 

もちろん私自身、影山監督アニメには興味を持ってますし、彼の演出で特徴的な物憂げな顔や間の取り方が、現代アニメでどうリンクしていくのか等…
アニメ演出の可能性を感じているので、未だに考察したりしてますが

2017年ダイナミックコードはそれすら消し飛ぶぐらいのアンチを生み出していたので

 

 

この事件に関しては、アニメ演出を消し去るぐらい、大変な事が2017年アニメであったんだよと残すべきだと思っているので、改めて考察しました。

見せ方の工夫というのは、実はかなり繊細な部分であり、作画が崩壊すると非常に伝わりにくくなる事は、影山監督アニメの歴史的にも伝えていきたいです…!

 

 

では本題に入って

2020年代アニメにおいて、影山監督アニメレベルの特徴的な絵コンテが必要なのか、と考えてみますが

個人的には今の時代にはいらないと考えてます

あくまでも否定的な考えではなく、明るい考察になる事を始めに言っておきます…!

 

 

2022年11月に影山監督・事情を知らない転校生がグイグイくる。ティザーPVが公開された辺りから、自分はアニメ視聴に本格的に復帰し、ここ最近のアニメを見ていたのですが…

まず世間でウケたアニメ・劇場版アニメを視聴しました。

 

 

2016年君の名は。もその一つで、実は新海誠監督アニメをほぼ見た事がなかったのですが
自分は元々ギャルゲーファンという事もあり、伝奇ファンタジー的な部分も映像と共に楽しく視聴しました。

また3D的な空間、奥行きのある感じもよく、色彩的に純粋に浸れました

 

 

ここでもし影山監督アニメ的な絵コンテを使った場合は…と思い浮かべてみると
ハッキリいうと全然このアニメにはいらないな、と感じました。

君の名は。というアニメの距離感は十二分に表現出来てましたし、静と動で考えると、影山監督アニメは不動明王並の静なので、あまりにも似合わない

 

 

ただしそれは、アニメ映像の3D的な奥行きというか、それがあると例えばわざわざ顔のカットでこの空間に閉じ込めるべきではないな、と

3Dを使った二次元作画においてはノイズになるんじゃないかと、この時感じました

 

 

これはラブライブシリーズにも覚えた感覚で

自分はラブライブ1期から追っているのですが、特に2020年以降のスーパースター辺りから、もはや二次元作画的な顔カットを入れなくても、3Dモデルだけで出来の良さを感じる事がほとんどになり

ここまで3Dだけで成立するなら、顔カットはいらないのではと

 

 


ただし最新作幻日のヨハネのライブシーンでは、新規3Dモデルの出来が…言い方がきついですが大分落ちていて、二次元作画の顔カットが癒しだった所はあるので

3Dの出来がよければよいほど、2次元作画と3Dが同居しているアニメは、絵コンテ自身も今までのセオリーから変わる所があるんじゃないかと考察

 

 


個人的には、2021年着せ恋が近年で特に気に入っていて、後半の鎌倉の浜辺でのシーン、プールのシーン、花火のシーン等々…

3D的なものを使いつつも、影山監督アニメ的なセンセーショナルな間の取り方にはなっていたので、アニメの系譜的に考えても、ここまで来たのかと…感涙するぐらいでした

 

 

なのでつらつらととりあえずツイートしてみましたが、絵コンテの力というのは、令和になってから重要かどうか、むしろそれに囚われ過ぎると2017年ダイナミックコードみたいな事にもなりかねないし

映像自体も変わってきているから、本幹としては引き継ぐけど、新しい何かにもなってきている、と

 

 

もし過去から絵コンテ自体が第一とそういう流れがあったなら、OVA時代の影山監督アニメはもっと話題になっているだろ~~なんて思ったりしました

個人的には影山監督アニメで表現されてきた繊細さ、距離感的なものを、別監督のアニメである着せ恋ではかなり感じたので

アニメの系譜があると考え

 

 

それは人間というものを描く事を恐らく考えてきた影山監督アニメだったからこそ、本質的な部分はこうやってアニメ表現として残されていくのかなと感じました

もし着せ恋が作画崩壊してたら、ここまで肯定的な世間評価にはなってなかったと思うので、作画も大事なんだよと何となく書きたかった今この頃

 

 

見せ方の工夫だけでは、そのアニメの監督アニメファンは満足するかもしれないけど、結局それは監督の過去作の一番を引き合いに出しているという前提があるからだし、今視聴している人はどう思うのか

見せ方の工夫というのは、その人の過去アニメがあったからこそじゃないかと自分はそう思ってます

 

 

もちろん初めてその人の見せ方の工夫触れて、このアニメーターさん凄い!調べてみようと検索する楽しさは自分にもありますが

そうやって他作品に触れていく流れ・繋がりになるのもアニメファンの良い所でもあり欠点でもあり

それがダイナミックコードにも繋がったんじゃないかなという話でした

 

 

 

絵コンテ至上主義的な考えは同意なんですが、2017年ダイナミックコードはそれがダメで、あんな事になって大変だったんですよ~という、アニメの歴史を遡って改めて振り返ってみました

ただ2023年転グイはそういう風潮がなかったので、ダイナミックコードでLive2dシーンがなければ許されたかもです